皆さんユーザー車検はご存じですか?
ユーザー車検は、ユーザー(車の所有者)が運輸支局に車を持ち込み、車検を受けることを言います。
今回は、ユーザー車検の受け方や、メリット、デメリットについて解説します。
ユーザー車検とは?
冒頭でも言いましたがユーザー車検とは、ユーザー(車の所有者)が管轄する運輸支局に車を持ち込み、自ら手続きなどして検査を受けることを言います。
ユーザー車検は、必要書類を揃えてからお住まいの地域を管轄する運輸支局に検査予約をすることでいつでも受けることが可能です。
軽自動車のユーザー車検は運輸支局とは別に軽自動車検査協会の方で検査をするので注意してください。
ユーザー車検のメリット
車検費用が安く済むところです。
お店に依頼して車検を受けた場合に必要な「整備費用」が発生しないので、その分車検費用が安くなります。
ユーザー車検のデメリット
必要書類の手配や車検手続きなどを全て自分で行うので、手間と時間が必要になります。
更に車検を通すための整備も自分で行うため車の知識がある程度必要になるので、安易に安いという理由だけでユーザー車検を受けるのはあまりおすすめしません。
車の知識は無いけどユーザー車検を受けてみたいという方は、ディーラや整備工場などで24ヶ月点検を受ける事をおすすめします。
ユーザー車検の費用
車検費用が安いと言われるユーザー車検ですが、ディーラや整備工場で車検を受ける場合に比べてどこが安いのかを詳しく説明していきます。
整備費用
整備費用は「点検基本料金」とも呼ばれ、車検を受ける車が保安基準に適合しているのかなどを点検するための料金になります。
ディーラや整備工場で受ける一般的な費用は、「法定費用」+「整備費用」=「車検費用」になります。
ユーザー車検の場合は、車検を受ける際の点検・整備を自分で行うため「整備費用」がかからないのでその分安くなります。
整備費用は依頼するお店にもより変わりますが、相場は以下になります。
依頼するお店 | 整備費用 |
---|---|
ディーラー | 40,000円~55,000円 |
車検専門店 | 20,000円~25,000円 |
ガソリンスタンド | 15,000円~19,000円 |
法定費用の内訳
法定費用とは、法律により定められた料金のことを言います。
ユーザ車検・ディーラー車検問わず金額は一律になります。
以下の3つを合わせたものが法定費用になります。
①自賠責保険料
・普通車の場合は、24ヶ月の加入で20,010円になります。
※沖縄県、離島などの一部地域については、上記保険料と異なります。
②自動車重量税
・所有する車の重量により税額が変わり、0.5トン毎に増加します。
・新車登録から13年以上経った車は増税になり、エコカーの場合は免税や減税の対象になります。
※エコカーの免税・減税はこちらから確認できます。
車両重量 | 13年未満 | 13年以上 | 18年以上 |
---|---|---|---|
500Kg未満 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
500Kg~1,000Kg未満 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
1,000Kg~1,500kg未満 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
1,500kg~2,000kg未満 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
2,000kg~2,500kg未満 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
2,500kg~3,000kg未満 | 49,200 円 | 68,400 円 | 75,600円 |
・ユーザー車検の際の印紙代(手数料)は2,100円になります
以上がユーザー車検の法定費用になり相場は、40,000円~60,000円ぐらいになります。
ユーザー車検に必要なもの
ユーザー車検を受けようと思って当日運輸支局へ行ってもいきなり車検を受けることはできません。
ユーザー車検を受ける準備をしましょう。
様々な書類などが必要になるので少し面倒ですが、順番に説明していきたいと思います。
車検の有効期限の確認
まずは車検の有効期限を確認しましょう。
車検を受けられる期間は決まっており、車検満了日の1か月前から満了日までが車検を受けることができる期間になります。
車検満了日の確認方法は、車検証を見るか車検シールでも確認する事ができます。
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ユーザー車検に必要な書類
車検に必要な書類を準備します。
必要書類は事前に準備する書類と車検当日に運輸支局で発行する書類があります。
事前に準備する書類は以下になります。
①車検証
②定期点検整備記録簿
③自動車税納税証明書(納税証明書が不要の場合もあります)
④自賠責保険証(新・旧の二枚必要になります)
⑤印鑑(認印)
当日、運輸支局で発行する書類は以下になります。
⑥自動車重量税納付書
⑦自動車検査票
⑧継続審査申請書
以上がユーザー車検に必要な書類になります。
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車両の点検・整備
車検には保安基準というものが定められており、車検を受ける車がこれに適合していないと通りません。
保安基準とは道路運送車両法で定められていて、自動車の安全確保及び環境保全を目的としています。
例えば、灯火類(ライト)ですがブレーキが点灯しない場合やスモール球が一つでも切れているだけで保安基準に適合していないので車検には通りません。
よってユーザー車検を受ける前に車が保安基準に適合しているか点検・整備しないといけません。
その他にもタイヤやバッテリーなどの消耗品の点検や交換作業をして車検に通るように整備が必要です。
車の知識が無い方や整備する時間などが無い場合は、ディーラや整備工場などで24ヶ月点検を依頼しましょう。
24ヶ月点検費用の相場
24ヶ月点検の費用(普通車) | 料金 |
---|---|
ディーラー | 18,000円~25,000円 |
自動車整備工場 | 10,000円~15、000円 |
ガソリンスタンド | 8,000円~10,000円 |
ユーザー車検の予約
ユーザー車検の準備ができたら車検の予約を行います。
予約は自動車検査インターネット予約システムから行います。
自動車検査インターネット予約システムでは、ユーザー車検の予約・変更・取り消しができます。
予約できるのは平日のみで土・日・祝日と12月29日~1月3日は運輸支局が休みになります。
時間帯は午前8時45分~11時45分か午後1時~3時45分までになっています。
予約が完了すれば、いよいよ運輸支局に車を持ち込み車検を受けます。
ユーザー車検当日の流れ
ユーザー車検当日の流れを説明します。
当日は運輸支局の窓口で書類の発行・記入が必要なので予約した時間よりも早めに到着するようにしましょう。
運輸支局の窓口で必要書類の発行と記入
「自動車重量税納付書」・「自動車検査票」・「継続検査申請書」の三枚が必要になります。
自動車重量税・検査手数料の支払い
運輸支局の印紙・証紙販売窓口で、自動車重量税と検査手数料の印紙・証紙を購入し、購入した印紙と証紙を先ほど発行した「自動車重量税納付書」と「自動車検査票」に貼ります。
自賠責保険への加入手続き
新しい自賠責保険に加入手続きをしましょう。
ディーラーや保険代理店で事前に手続きをすることもできます。
運輸局の中に加入を受け付けてくれる損保会社の窓口がある場合は当日、窓口で手続きをしましょう。
ユーザー車検の受付
自動車重量税・検査手数料の支払いと自賠責保険の加入が終わったら、必要書類を持ってユーザー車検受付窓口で受け付けを行います。
必要書類に不備などがあった場合はここで指摘されるので不備のあった箇所を訂正しましょう。
検査コースで検査・点検
書類の手続きが終われば車に乗って検査コースで検査を受けます。
ユーザー車検が初めての方は、コースの見学ができるので検査コースや検査の流れなどを実際に見てみましょう。
検査コースで保安基準に適合しているか検査官が検査項目をチェックしますので、検査官の指示に従い検査を受けます。
不適合箇所があった場合は指摘された箇所を再度点検し、整備を実施し再度検査コースへ入場し審査を実施します。
1回の検査申請による検査コースへの入場回数は3回までとされています。
※検査コースで審査を受ける際の注意事項は受検に当たって受検者の皆様にお守り頂くことを参照してください。
自動車検査証および検査標章の交付
無事合格した場合は、継続検査受付窓口に必要書類を提出します。
必要書類を提出すると、新しい自動車検査証(車検証)と検査標章(車検シール)が交付されます。
新しい車検証を受け取ったら住所などを確認し、新しいステッカーをフロントガラスの中央上部に貼り付けます。
以上でユーザー車検は終了になります。
ユーザー車検の受け方を解説まとめ
いかがだったでしょうか?
ユーザー車検の流れや費用について解説しました。
自分も何度かユーザー車検を受けましたが、思ってたほど難しくありませんでした。
特に初めてユーザー車検を受けた時は、スタッフの方がつきっきりで教えてくれたのでスムーズに車検を通すことができました。
ユーザー車検は書類を揃えたり手続きに時間がかかりますが、ディーラー車検などに比べて40,000円~50,000円ほど安くなるので、車の知識がある方はユーザー車検を一度受けてみるのはいかがでしょうか?
車の知識が無い方はディーラーなどで24ヶ月点検を行いユーザー車検の手続きを自分で行う事で代行手数料の分、車検費用をおさえることができます。
少しでも不安な方はディーラーや整備工場に車検を任せる事をおすすめします。
安いからと言って整備せずにユーザー車検を受けることは大変危険なので必ず点検・整備は行いましょう。